良き技術者は、自らの脳内知識を定期的にアップデートするものであるが、最近のJavascript界隈における栄枯盛衰のスピードにはオッサンはついていくのも大変で息切れすら覚えてしまう。
つい2、3年前に調べた知識があっという間に「オワコン」扱いされているのを見ることの、なんと忍びないことか。
思わずハンカチで目頭を押さえてしまうのは疲れ目だからではない、と思いたい。
ということで遅れを取り戻すべく、HTML5/JS/CSS3の最近の動向を調べてみた。
元ネタは Build Insider のアンケート調査記事から。
2015調査
2014調査
2014年からということでまだ2回めだが、1年だけでも大きく変わるというのが実感できる結果となった。
フレームワーク
順位 | フレームワーク | 傾向 | 2015 | 2014 |
---|---|---|---|---|
1 | AngularJS | ↓ | 53.8% | 71.86% |
2 | React | ↑ | 37.6% | – |
3 | Knockout.js | ↓ | 26.5% | 40.12% |
4 | Backbone.js | ↓ | 21.4% | 41.32% |
5 | Vue.js | ↑ | 9.4% | – |
2014年時点では AngularJS に身を任せてタユタユできそうだったのに、まさかのReact躍進。
私はSmalltalk時代よりMVCという言葉の解釈違いに悩まされてきた一人なので、MVW (MV-Whatever) と言っちゃう AngularJSには個人的に強く同意する。
だから、そのまま押し切ってもらって良かったのだけれどね。
フルスタック系なんて使い回しも難しいし学習コストも高いし、心中する勇気がいるのでもう少し様子見せざるを得ない感じになってきた。
FacebookによるReact.jsはMVCのVだけなのでAngularJSとは微妙にレイヤがずれる。おそらく真っ向からのつばぜり合いと言う状況では無いはずだ。
たぶん世の中的には「AngularJSの次」を探しまわるフェーズに来ているということかもしれない。
メタ言語 (Javascript)
順位 | altJS | 傾向 | 2015 | 2014 |
---|---|---|---|---|
1 | TypeScript | ↑ | 78.5% | 69.14% |
2 | CoffeeScript | ↓ | 17.4% | 41.14% |
3 | Dart | ↓ | 5.8% | 16.57% |
4 | Haxe | ↓ | 4.1% | 14.86% |
3年前ぐらいはCoffeeScriptの天下だった気が……もはやTypeScript一択か。
そしてDartさんHaxeさん、さようなら……。
Haxeは面白そうだったんだけど伸びなかったね。
メタ言語 (CSS)
そしてCSSの方は、もうSASS一色かと思ってたけど、意外にもLESSが健闘中。二強の天下分け目が続いている模様。
順位 | meta CSS | 傾向 | 2015 | 2014 |
---|---|---|---|---|
1 | Sass/SCSS | ↓ | 48.6% | 74.66% |
2 | LESS | ↓ | 36.0% | 47.95% |
3 | 不要 | ↑ | 21.6% | – |
4 | stylus | ↓ | 7.2% | 9.59% |
元ネタによると「不要」の選択肢は2014年から含めたそう。
不要と言い切っちゃう人が結構多く、第三極を占めているのも興味深い。
デザインに拘らない方々なら確かに不要かもしれないね。
圧倒的な印象のあるSASSの支持率が落ちたのは、「必要性を感じないけど二択ならSASSかな?」というイージーな選択をしているユーザーが多いということなのだろうか。
まとめ
まずは TypeScriptの学習から着手しよう。
後述する記事にもあるがMicrosoft以外のサポートが広がってきている。MSから手離れしていよいよ本格的普及となる予兆だろう。
今、学んでおけばこの先5年、10年の長スパンで役立つ技術となりそう。
AngularJSとSassはGoogle Trendなどでは競合を圧倒しているので、ここ数年で言うなら勉強しておいて問題ないだろう。
ただし競合と「次の目」の様子見も忘れずに、ってとこか。
ちなみに2015年3月時点でのGoogle Trend を元にした記事はこちら。
http://postd.cc/the-rise-of-typescript/
これだとSASSスゲー熱いって感じだね。