テッククランチの記事によると、マイクロソフトのサーフェス は2年以内に25%が故障するらしい。
にわかには信じられない故障率である。
その数字を根拠に、サーフェスは「おすすめタブレット」の指定を取り消されるという不名誉が与えられたと記事には書いてある。
でも、ちょと待って。
それよりもっと衝撃的な数字が並んでるみたいなんですけど。
TechCrunch Japan の元記事 は、「Consumer Reports誌」という有料の雑誌によるユーザーアンケートの結果を紹介している。
記事では直近のレポートの結果、マイクロソフトのサーフェスの信用度が落ちたことに注目しているが、その根拠として他のタブレットの故障率も数字を示している。
他のメーカーより故障率が高いから、推奨できないという論調だ。
だけど、その「マイクロソフト以外のブランドにおけるタブレット故障率」ってのが驚きなのだ。
それは以下のとおり。
メーカー別、2年間の故障率
記事から抜き出した「新品を買ってから2年以内に問題が起こる率」を故障率が低い順に並べてみた。
メーカー名 | 故障率 |
---|---|
Apple | 10% |
Samsung | 16% |
Acer | 18% |
Dell | 22% |
Toshiba | 24% |
Microsoft | 25% |
なんと、最も故障率の低いアップル(おそらくiPadのこと) ですら2年以内に1割は故障するという。
これって結構大きい数字のように見えるのだが・・・
でも確かに、以前買った iPad は購入後2年あたりで、バッテリー消耗が激しくなってフル充電しても10分ぐらいしか持たない状態になったことがあった。
おそらくバッテリー寿命が短いやつに当たったのだろう、と当時は考えてバッテリー交換してもらい、直ったのだが。
1万円ちょいの交換料も取られたし、現実に即した数字と言われたら、そうかもしれないと納得できなくもない。
Consumer Reports誌って信用できるの?
さて、サーフェスの高い故障率について、マイクロソフト自身は「こんな故障率ありえない!顧客満足度は98%ですから!」って反論してるそうだ。
それじゃあ、この Consumer Reports の数字の信頼性ってどのぐらいあるのだろう。
元になったデータは総計90,741件。
様々なメーカーの2014年~2017年まで約3年間、新品のノートおよびタブレットPCのレポートとのこと。
統計的には十分に有意がある数字である。
お金を取ってレポートを売っている以上、それなりの信頼性は保証されているのだろう。
そして Consumer Reports誌を毎年発行している、同名の Consumer Reports という組織は非営利で80年間運営されているという。
一切の広告を扱わない公平性を売りにしているとのことなので、眉唾な組織の情報というわけでも無さそうである。
ということで、お互いの主張する数字が正しいとすると、おそらくは 故障率 という言葉の定義が違うのだ。
実際のレポートでは、サーフェスは起動時にエラーになったり突然シャットダウンしたりと、必ずしも「故障」という話では無さそうだ。
ソフト・ハードいずれを問わず「使用に何らかの問題がある状態」になったと捉えるのがよいかもしれない。
っていうか東芝!
日本人としては、この表に東芝が入っていることを喜ぶべきか、嘆くべきか。
おそらくNECとか富士通は記事に出されるほどのタブレット販売シェアを海外で取れてないということだろう。
そういう意味では東芝が出ていることは嬉しいことだ。
しかしながら、非推奨のマイクロソフトとほぼ同率の24%の故障率は頂けない。
品質が売りの日本製という神話は、少なくともパソコン、タブレットの世界では遠い昔の話となってしまったようだ・・・。
ただ、VAIOやIBM(レノボ)、あと ASUS とかもタブレットの世界シェアが一定数あるはず。
そのあたりがテッククランチでは紹介されていないようなので、この数字というのは、あくまで一部を抜き出しただけ、ということであろう。
元の Consumer Reports誌も一定の信頼度はあるとは思うが、ここに出ている数字に限っては、必ずしも信頼のおけるものではない可能性があることは注記しておきたい。
いま上場廃止するしないで揉めている東芝も、そんな状況だからこそ、実際の製品では良いものを出すよう努力して欲しい。
こんな故障率じゃあ、とても応援できない・・・と、一消費者は考えるしだいである。
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