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砂海のブログ

フリーランサーは給料の何倍もらえばトントンになるの?妥当な相場って?理論的に数字を使って解説します!

time 2015/09/18

フリーランサーは給料の何倍もらえばトントンになるの?妥当な相場って?理論的に数字を使って解説します!

フリーランスの皆さん!
あなたは「自分自身の相場価値」を知ってますか?
本当の意味での「適正価格」を知らないと安く叩かれるだけですよ!

今からフリーランスを夢見る人も、いったい幾ら貰えば脱サラを選んだ方が得か判りますよ!

ということで当記事は、いつもより居住まいを正してお金の現実をしっかり検証致す所存です。

拝承。

さてさて。

フリーランスになれば、雇われ社員のときより実入りが良くなる……とよく言われますよね!

でも「実入り」って、それは現金収入のことだけで判断してませんか?

あなたが会社に雇われているときは、あなたに払う給料以外に目に見えない色んなお金を会社が出してます。

言い換えると、会社はあなたに給料以外の色んなコストを載っけた分の「価値」を認めているわけです。

だからフリーランスになったとき、給料と同じ分だけ稼いでいちゃあダメなんです。

それでは一体、幾らなら「トントン」なんでしょうね?

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よく言われる三割増し、五割増しの誤解

「フリーランスは額面給与の三割増し、または五割増しをもらってトントン」だ。

こんな話を、もしかしたら聞いたことがあるかも知れません。

当ブログの管理人もこれを昔聞いて、
「なるほどリスクへの備えとかで多めにもらっておかないとダメなんだな」と思っていました。

でもこれは、ある意味本当で、ある意味間違いなんです。

なぜなら「トントン」には色んな意味があるからです。

そして将来のリスクとかあやふやなものを考慮しなくても……三割増し程度じゃあ確実に「損」だと計算できるんです。

そこであなたの雇用契約を思い出して下さい。
あなたは基本給以外に、きっと以下のものを会社から貰っているはずです。

  • 残業手当
  • その他のいろいろな手当
  • 有給休暇
  • (退職時の)退職金

なかには手当や退職金制度がない会社もあるでしょう。
けれど少なくとも、残業手当と有給休暇は必ず(※)支払われるべきものです。

※ちなみに法律上100%のはずですが、ちゃんと払ってる会社は さる統計によると93%だそうです。

さらに会社は、以下の経費をあなたに替わって払っています。

  • 各種社会保険
  • オフィス光熱費やパソコン・文房具、出張などの各種経費
  • その他のいろいろな福利厚生

これらは目に見えない「収入」であり「コスト」です。
それを現金換算したら、幾らぐらいになると思いますか?

実はそれが三割から五割にもなるんです。

そう、三割から五割増しって言うのはこの事なんですね。

そんなにかかるの?という人のために、詳しく説明していきましょう。

目に見えない三割の給料

会社勤めの人は、目に見えない三割分の給料を会社が余計に払ってくれています。

各種手当や福利厚生などは会社ごとに違ってきますから、ここでは必ずもらえる以下の4つについて考えます。

  • 残業手当
  • 有給休暇
  • 各種社会保険
  • 退職積立金

「うちは入れ替わりが激しすぎて退職金は無いよ!」という人もいるでしょう。
でもそういう場合は、あなたに払う代わりに新人の雇用コストとして会社が使っていると考えて下さい。

長年勤められるような会社なら本来はあなたがもらえるべきお金ということで、あわせて考えましょう。

残業手当

まずは残業手当からです。
法律では8時間を越えると1.25倍支払うことになってます。

わかりやすく時給1000円で考えてみましょう。
ややこしいので深夜手当も除きます。

時給1000円で毎日10時間働いている人は1万円に加えて割増分が500円つきます。

8時間×1000円 + 2時間×1250円 = 10500円

つまりトータルでみたときの時給は 1050円です。

フリーランスのあなたに残業手当を払ってくれる人はいませんから、この分を考慮に入れなくてはいけません。

たとえば「7月は仕事が少なくて毎日6時間労働だったけれど8月は忙しくて10時間だった。」という時はトータルでは8時間労働ですが、残業手当の分、多めに貰っておかないと割に合わないんです。

6時間×1000円 + 8時間×1000円 + 2時間×1250円 = 16500円 (時給1031円)

フリーランスって仕事が安定しないですからね。
繁忙期と暇なときってのが絶対に生まれます。

だから、ここでの計算を元に「実給料の3%」を残業手当として計算しておきましょう。

有給休暇

だいたいの会社は半年で10日、毎年1日ずつ増えて10年過ぎれば最大20日の有給休暇がつきます。

20日って1ヶ月分です。(完全週休2日なら)

同じ会社に10年居るってことは、1年のうち11ヶ月だけ働けば12ヶ月分の給料がもらえてるってことなんです。

普段は意識してないかも知れませんが、これって結構大きいですよね。

ここでも計算を簡単にするために、毎月10万円もらってるとしましょう。

120万円 ÷ 11ヶ月 = 1ヶ月あたり約10万9千円

そうなんです。
会社勤めの皆さんの給料って、有給休暇を考慮に入れれば、ほぼ1割増しの価値があるんです。

フリーランスは……当然……ゼロです。

いつ休んでも良い自由がありますが、そのかわり休んだ分は誰もお金をくれません。

だから有給休暇分も、きっちり計算して貰っておかないと損なんです。

上記のとおり「実給料の9%」を計算しておきましょう。

社会保険

社会保険って給料からごっそり引かれて嫌になりますよね。

でもその少なくない額ですら、会社が半分を負担しているとご存知でしょうか。

実際のところ、ほぼ半分のちょっと多いぐらいを負担しているわけですが……。
よくよく考えてみれば、それも本来はあなたの給料のはずです。

会社が負担する社会保険は主に以下の4つです。

  • 雇用保険: 給与の0.85%
  • 労災保険: 給与の0.25%
  • 健康保険: 給与の約5%
  • 厚生年金: 給与の約9%

全部あわせて、約15%です。

半分負担で15%ってことは、全部で30%を取られてるって事ですね。
げんなりしますよね、まったく!

と言うことで、フリーランスの人は会社負担分にあたる「実給料の15%」をきっちり多めにもらっておきましょう。

退職積立金

40年近くにわたり会社に貢献して定年退職した人の退職金って、平均で1600万ほどもらえるそうです。

その間の平均年収が500万ぐらいだとして、おおよそ年収の8%にあたる40万円を40年積み立てればそのぐらいですね。

ちなみに公務員だと2000万以上になるらしいですよ。
うらやましい話ですね。

つまり退職金制度がない会社に居る人は、制度がある会社の人より8%多めにもらわないと同じ給料とは言えないのです。

ましてや、そもそも不安定なフリーランスの人なんてなおさら、将来の備えは必要です。

さあ今までと同じように「実給料の8%」を計算しましょう。

全部合計すると三割以上!

ここまでの数字をまとめますね。

  • 残業手当: 3%
  • 有給休暇: 9%
  • 社会保険:15%
  • 退職積立: 8%

合計で35%です!

なんということでしょう。
年収400万の人も、本当の給料は540万円だったんです!

年収500万なら675万。
年収600万なら810万です。

各種手当てとか福利厚生を入れなくても、これだけの見えない給料があったんですね。
もしフリーランスとして働く場合に、これより下の金額なら「絶対に損ということです。

じゃあ4割増しでもらえたなら得なのかな?と思うのは待って下さい。
だってまだ経費の話がありますよ。

経費を足せば5割近く

フリーランスなら自宅で作業される方も多いですね。

自宅だと賃料も光熱費も生活費の中に紛れ込んでしまいますが、もしオフィスを借りるとどのぐらいの経費になるんでしょうか。

1坪(3.3平米、たたみ2畳) あたりの「坪単価」で言うと、東京の良い場所で月2万円。
地方の県庁所在地とかなら月1万円ぐらいです。

さらに光熱費や文房具、書類を送る郵便代。
今どきは携帯・ネットも必須環境です。
IT関連なら開発ソフトウェアのライセンスなんかも大きいです。
出張費だってフリーランスなら全部自腹ってこともありますね。

業種によりますが、だいたい毎月2~3万の経費をみておくと良いでしょう。
毎月40万貰っていた人の3万円って、7.5%にもあたります。
結構馬鹿にならないですよね。

そして忘れがちなのが、帳簿をつけたりする事務作業も自分でしなくてはいけないということ。
その労働時間が年に6日、1ヶ月あたり半日分だとしても給料の2.5%の計算になります。

これらを全部計算に入れると、大ざっぱに収入の1割ぐらいが経費になると思って下さい。

さあ、先ほどの35%と合わせましょう。

元の年収の145%

リスクとか備えとか何も考えない状態で、5割多めにもらって「同額」ということです。

安定した環境を捨てて、わざわざ荒波に飛びこむのに、もらう報酬は実質同じ

確かに自由は得られますが……。
自由の対価としてはちょっと厳しくないでしょうか。

どうしても組織になじめないタイプなら、それでもフリーランスを選ぶのは有りかもしれませんね。

でも、より大きな実入りを求めてフリーランスになるというなら、5割じゃあリスクを被る価値はないってことです。

リスクを考慮しよう

フリーランスは5割多めに貰ってようやく同じ報酬になるなんて、ちょっとびっくりですよね。

5割多く貰って「収入が増えた」と喜んでいては、見た目の数字に騙されているということです。
目に見える数字だけで給料と比較するのは、サラリーマンが手取りと額面の違いを無視して比較するのと同じぐらい無意味なんです。

ならば今こそ、リスクも数字として見える化してしまいましょう。

ここで3ヶ月単位の契約1ヶ月の待機期間ごとに取れたケースを考えてみます。
半年契約だと待機期間は2ヶ月。
1年だと4ヶ月です。

もちろん待機期間と言っても、実際は営業にかけずり回ることになります。
フリーランスをしていると1ヶ月の空きなんてザラにあります。

半年休みなく順調に働けたら、2ヶ月ぐらいは次の仕事がなくても生きていける程度の余裕が生まれてないと不安だという感覚、現役フリーランスの方なら同意して頂けることでしょう。

これを数字にすると、4分の1だから25%です。

この25%分を多めに稼げたら、リスクも載っけて安心できる金額になることでしょう。

じゃあ、さらに+25%すればいいのでしょうか?
いいえ。
違いますよね。

収入のない25%を、残りの75%の間に稼がないといけないのです。

25 ÷ 75 = 0.333...

3ヶ月間33%増しで働けば、1ヶ月間は収入ゼロでもOKということです。
だから145%を 1.33 で掛けます。

1.45 × 1.33 = 1.9285

すると……約193%という数字が出てきます。

あなたが社員としてもらっていた給料の、おおよそ2倍です。

これこそがフリーランスの本当の値段なんです。

これだけもらえていたら、フリーランスとしては「まずまず」です。

もし順調にお仕事をもらえたときに、リスクをかけた分だけの価値がある収入が見込めるでしょう。

これ以下の数字は……あなたは安く叩かれているということです。

嘘じゃない証拠に、会社が自分のところの社員を他の会社に貸し出すときは、だいたい年収の2倍のラインを最低にしています。
3倍だって珍しくありません。

数字に強い人に聞いてみてもいいですよ。
ですがそこまでせずとも皆さんはきっと、ここまでの話で納得してもらえていると思います。

繰り返しますね。

給料の2倍もらってフリーランスはようやくリスクに見合う「トントン」の金額と言えるのです。

最後に

私の経験上、この2倍という数字を達成しているフリーランスの人は、半分もいません。

殆どの人が1.5倍前後のラインは確保できているようですが……。

たぶん2倍を確保できている人たちは営業に走り回る必要から解放された人たちなので、私のような他のフリーランスと出会う機会があまりないのだと思っています。

そして1.5倍ぎりぎりの人たちは大体、4~5年で諦めて再就職の道を選んでいますね。

だからフリーランスを長く続けたいなら、決して自分を安売りしないようにしましょう。

交渉相手も百戦錬磨ですから、少しでも安くしようと言ってくるかもしれませんが負けないでくださいね。
そこで負けるということは、そのうちいつか自分がフリーランスの道から落とされるということです。

また今からフリーランスを目指す人は、まず5割増しを目処にしましょう。

最初はコネも少なく営業力も弱いから、いきなり2倍は厳しいです。
ある程度は安く叩かれることも覚悟です。

それでも5割のライン以下は決して譲ってはいけません
そこを引き下がるぐらいならおとなしく再就職したほうがよほどマシです。

そうして経験を積みながら、2倍のラインを目指していきましょう。

2倍の収入と信頼できる長期の取り引き相手
この2つを手に入れたときに初めて、あなたのフリーランスは「成功した」と言えるのです。

あなたがリスクに勝ち、人生に勝つことを影ながらお祈りいたします。

目指せ収入2倍!ですよ!

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